老犬介護ホームAzul(アスル)さんの見学会にお邪魔してきました。【お店みせて】

個人的な経験ながら…

約35年前に県外から親の転勤で古賀にやってきて、
約25年前に同じ古賀市内の庭付きの家に移り、
そしてワンちゃんがやってきました。

そして、約10年間、ワンちゃんと一緒に過ごしました。

舞の里4丁目や5丁目が造成されて平たくなっちゃう前の里山をめぐるコースが、私とワンちゃんとの散歩の定番コースでした。

基本的には庭に親が作った犬小屋に暮らしていましたが、その犬との最後の1年くらいは、家の中で一緒に過ごしていました。立ち上がることが難しくなったので。

正直に言えば、いまだに、その犬の立場になった時に、私たち家族との出会いは果たして幸せだったのだろうかといまだに思うこともあるのですけれど、人もペットもその生の最後の最後まで、お互いに出会ってよかったと思えるように、そしてどちらかが看取っても想いを紡げるようにありたいものだと思わずにはいられません。

そんな私情を抱えながらお邪魔したのは、昨年に今の庄にオープンした老犬介護ホームAzul(アスル)さん。

夜鳴き・徘徊・認知症・寝たきり・立ち上がり困難・介助等が必要になった、老齢のワンちゃん専門の「老犬介護ホーム」です。

年齢とともに衰えがでてきたワンちゃん自体のサポートもそうですが、ワンちゃんとともに年齢を重ねてきた飼い主さんのサポートもできるよう、24時間体制で運営をしている専門施設です。長期預かり・一時預かり・日中一時預かり等のメニューがあります。

このところは、毎週日曜日の14時~16時に見学会を開催されているので、その時間を使ってお邪魔してみました(※専門施設なので、訪問の際は事前にご確認ください。内容によっては事前のご予約もご検討を。)

笑顔でワンちゃんたちが

見学会にお邪魔すると、たくさんのワンちゃんたちがお出迎え。ワンちゃんたちの流儀で、あたたかく迎えてくれました。

(※汚れてもいい恰好で見学会にお邪魔することをお勧めします。とってもフレンドリーに接してくれるので(笑)。犬好きにはたまりませんが。取材でワンちゃんを思う存分モフれて凄まじく役得感があったのはヒミツ。)

「老犬介護ホーム」と聞くと、ケージがたくさんあって…というイメージもちょっとだけあったのですが、安全管理のために空間を区切るための柵以外は、個々のワンちゃんを収納するためのケージはナシ。鎖もナシ。

家の中も、お庭にも、ワンちゃんたちがゆっくりと穏やかに過ごしています。

寝たきりのワンちゃんや、同じところをグルグル歩き続けているワンちゃんもいますが、そのワンちゃんを暖かく囲むように、支えあうかのように他のワンちゃんたちが行きかいます。

収容施設という感じではなく、ホスピスという感じの空間でした。

寝たきりになっても、また歩けることを願って

今の庄の「アスル」さんとしてのオープンこそ昨年からですが、運営しているスタッフの皆さんは長年にわたり老犬介護活動に取り組んできたベテランの専門家の皆さん。「寝たきりになったからって寝たきりのままにはさせませんよ!」と、少しでも機能の回復をめざしてワンちゃんたちを個別にサポートしています。

たとえば、後ろ足がちょっと弱って歩行が難しくなったワンちゃんにも、「歩きたい」という意思がある限り、しっかりとつきあってくれます。ちょうど日向ぼっこに行きたそうにしていたとのことで、建物の中からお庭に出発!

つまるところ、後ろ足を支えてあげさえすれば歩けるのだからと、体重を支えてあげながら、ワンちゃんの気の向くまま・思うままに散歩をサポート。

なお、いよいよのときはスタッフさんがひょいっと抱えちゃいます。

ワンちゃんによっては、歩けない状態で入居・預かりの縁ができたとしても、歩けるように機能が回復することも珍しくはないとのこと。

ワンちゃんがワンちゃんらしく過ごすことができ、ワンちゃんの特性を知っている専門スタッフさんと出会えるということは、こうした可能性も広げてくれるのですね。

西田さんのお食事に同席

年齢とともに難しくなってくるのは、歩行だけではなく、食事も。なので、食事の仕方も個性・属性・状態に応じて量や調理方法、食べ方・食べさせ方もワンちゃんごとに違うとのこと。

ちょうどお食事の時間帯が重なった「西田さん」のお食事にご一緒してみました。

あ、「西田さん」という名前のワンちゃんです。最初に耳に入った時に、【西田さんという飼い主さんからお預かりしたワンちゃん】と思ったんですが、そうではなく、「西田さん」というワンちゃんなのでよろしくお願いします。

西田さんのストーリーはコチラ↓

寝たきりの状態の「西田さん」のお食事はなかなか大変。

咀嚼のスピードが追いつかなくなってきているので、気管に入り誤嚥性肺炎を防ぐために、ドッグフードにとろみをつけ、プラスチック製のシリンジ(注射筒)で少しずつ様子を見ながら。

食事に寄り添うほかのワンちゃんの姿も。

きけば、西田さんは現在3時間おきに食事とのこと…。一日8回。
24時間、ワンちゃんの介護をできる専門のスタッフさんがいる施設だからこその体制ですね。

ちなみに、「西田さん」のお食事は「西田さん」の状態に合わせた特注メニュー。シリンジであげるワンちゃんたちのお食事は、それぞれの症状に合わせて全て形態を変え対応されているとのこと…。

開業までの経緯や、これから

長年にわたって老犬の介護の仕事に取り組んできた方々が、急きょ行き場のなくなった老犬と飼い主様のために、老犬介護に特化した施設をゼロから立ち上げた…というか、立ち上げざるを得なかったというのが実情とのこと。

また、せっかくこの世に生を受けたのに、人間の都合で殺処分されてしまうワンちゃんを少しでも救いたい。そんな思いも含め。

なので、クラウドファンディングに挑戦したり…

そうした思いを新聞社さんにとりあげてもらったり…

「義を見てせざるは勇無きなり」

代表の小野洋子さんのお話を伺っていると、そんな言葉が浮かびます。

古賀の古民家を借りて、ワンちゃんたちが暮らせるように改装を行い、庭をドックランにもして、古賀界隈の獣医師さんとも連携体制をとって…

とはいえ、毎日をしっかりと生きるたくさんのワンちゃんたちと向き合うには、いろいろな準備も必要なため、あっという間に消えていくワンちゃん用のトイレシートや老犬用ドックフードなど、日々の暮らしに必要なモノを支えてくださる方の募集も行われています。もしご関心のある方は、ホームページをご確認いただいて、モノやそれを購入する資金などの支えをご検討されてみてください(専門的なモノもあるようで、事前に相談されたほうがいいようです。または小野さんが使いやすい「お金」のほうがいいかも。)。

ご関心のある方へ

飼い主さんもワンちゃんと一緒に年を重ねるのだから、飼い主さんだけで老齢のワンちゃんを支えるのはムリなことも十分考えられます。飼い主さんの笑顔を見たいのが、ワンちゃんの願いでもあり、共倒れにはならないようにしたい。そんな思いを持つアスルの皆さんに、まずは気軽に相談してみてくださいとのこと。

ただ、飼い主さんのワンちゃんへの愛情に応えるべく、すでにアスルにいるワンちゃんたちの静かな暮らしを守りたいということから、予約不要の見学会や、事前の訪問お約束による来訪をお待ちしてます…とのことでした。

ちなみに、ここまで「老犬介護ホーム」としてご紹介していますけれど、実は介護が必要でない若いワンちゃんも一般のホテルとして利用可能とのこと。また、老犬ではなくとも、若くして少し病気がちなという意味で介護が必要なワンちゃんのサポートもしてもらえるそうです。さらには、NOケージの一般のホテルとしての利用も可能とのこと。

老犬のサポートを入り口として、ワンちゃんの暮らしそのものの専門家としてご相談くださいとのこと。

ペットも人も、お互いに支えあうがゆえに負担もかかりがち。共倒れにならないように、時として専門家さんの助けを得ることも、トータルで、みんなで、幸せになれるのではないかと思います。

これからもうすぐゴールデンウィークの予定を立てるころ。介護が必要なワンちゃんを一時預かりを依頼して、飼い主さんの心身をリフレッシュするのも、ワンちゃんと飼い主さんのこれからのために意義があるのかも。古賀には、この道の専門のアスルさんが来てくれたのですから。

店舗情報

店舗名福岡老犬介護ホーム Azul(アスル)
所在地福岡県古賀市今の庄 1丁目2-3
TEL092-775-2280
営業時間24時間 (問い合わせ時間は、10時〜18時)
定休日なし
Webサイトホームページフェイスブック
駐車場あります
地図

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【記事を書いた人】
千鳥足 大人の事情で、顔出しNGでしたが、いったん解禁しました。けど気が変わってやっぱり顔出しNGに戻る。 徳島県生まれ・福井県育ち。幼稚園から高校まで古賀にいたあと、茨城とか東京とか長崎とかで過ごしたのちに古賀にUターン。 趣味: 読書。遠藤周作とか吉村昭とか阿川弘之・阿川佐和子とかが好き。 お酒飲むのも大好き。

「老犬介護ホームAzul(アスル)さんの見学会にお邪魔してきました。【お店みせて】」への2件のフィードバック

  1. こんにちは古賀で犬猫を飼っている一市民です。
    犬はローシニアなので今後の介護について今からいろいろ思案しているところです。
    少し気になったのですが…
    「ゲージ」ではなく「ケージcage」ですね「おり、かご、かこい」みたいな意味です。
    細かくてすみません

    1. コメントありがとうございます!勉強になりました。
      今後もお気づきの点がありましたらよろしくお願いします!

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