初冬の「薦野参観美」~錦鯉観賞と紅葉の清瀧寺

12月7日(土)暦の上では大雪ですが、最高気温11度の朝。

「歩いてん道ウォーク~薦野の参観美」小野公園に歩いてんDo好会は10人集合しました。前日の冷たい雨の影響で、参加者は少ないかと予想していましたが、小野公園で受付開始するとしっかり着込んだ一般参加者が約30人。
開会式は坂を下ったところにある天降神社で、「薦野歩こう会」と「薦野の歴史をつなぐ会」の方々がお待ちでした。司会は歩いてんDo好会のKさん。生涯学習推進課吉永係長のご挨拶、歴史をつなぐ会の方に天降神社の歴史を説明していただき、歩いてんDo好会SUさんのリードで軽いストレッチでこわばった体をほぐします。9時30分、地元の方を先頭に総勢約50人で出発。

雨上がりの「薦野歩いてん道」を歩きます。まだ固いつぼみの桜並木の下、川の日当たりの良い斜面には水仙の花があちこち咲いています。工場の敷地にはヤギもいました。

熟した赤い実が鈴なりになった大きな柿木が遠くに見え、晩秋の山里の風情を引き立てます。

みかんも美味しそうですね!

清瀧橋では、薦野の歴史をつなぐ会の方が大きな地図をひろげ、「清瀧の仕掛け水」の話をされました。清瀧橋の下にある取水口は「仕掛け水」といって江戸時代水不足に悩んだ現在の福津市上西郷村庄屋が黒田藩に清瀧川から水路を引くよう願い出て、多くの農民が工事を手伝って実現したという話を聞きました。現在も福津市から薦野区へ水及び世話料として年間約50万円が支払われており、田畑の灌漑用水や家庭用水に役立っているそうです。

ここから西山に向かって杉や竹林の間のゆるやかな上り坂を歩き、右手に薦野城跡への標識を見ましたが、立ち入り禁止となっていました。整備したら良いハイキングコースとなりそうです。
10分も歩くと目指す八尋邸は右手にしだれ梅のあるお宅です。庭には深い池が掘ってあり、池の中には大きな錦鯉がたくさん悠然と泳いでいました。

池の背後の高い斜面を利用され岩を組み込んだ築山には枝垂桜、シャクナゲ、五葉の松などが植えられ、階段状の岩の間を清水が絶え間なく池に流れ落ち、静寂を感じさせます。

八尋さんのお宅にはこの庭の季節ごとに咲く花々の写真が展示されており、実際に見てみたいと声が上がっていました。八尋さんと幼馴染の薦野歴史をつなぐ会の水上さんが、薦野は面積の48%が森林で、標高も高く、市街地より雪も多く降ることなどを説明されました。
水上さんは、先日アフガニスタンで医療や用水路事業の大変な功労者である古賀市出身の中村哲さんが非業の最後を遂げられたことに触れ、自分もペシャワール会の一員で、中村さんは60年前、薦野に来たことがあるという話もされたそうです。

八尋さんは、「錦鯉の管理は水の管理」に尽きると強調され、池を深くしたこと、清瀧の清流を引き込んで、浄化装置を実演までして、排水管理の大切さ、餌やりの注意など丁寧に説明してくださいました。
そのうえ、温かいお茶やお菓子、ミカンもたくさん用意してくださって「おもてなし」に恐縮しました。「いつでも気軽に見に来て下さい」との有難い言葉をいただき感激です。
春の桜も見たい、という参加者は名残り惜し気に八尋邸を後に、清瀧寺に向かいました。


清瀧寺は神仏混淆の時代があって、天台宗のお寺でありながら鳥居があり、額には仏教の梵字が書かれています。境内も、坂の上の薬師堂周辺のモミジも紅葉が見事で、イチョウの落ち葉も道に敷き詰められ、素晴らしい光景の門前で全員の記念写真を撮りました。

帰りは薦野公民館前でゴール。朝は曇って寒かったのがウソのように青空が出て、冬枯れの景色を予想していましたが、思いがけず紅葉も楽しめて、満足していただけたのではないでしょうか。

 

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【記事を書いた人】
今村 古賀の山、海、田園風景が大好きで古賀市に移り住んで12年。古賀を知ろうと歩き始め、ウォーキングの仲間たちと巡り合った幸せ。故郷島根県松江市の高校では考古学部出身、歴史好きの私の心をときめかしてくれる遺跡も出土し、歩く楽しみも一段とアップ。自然を守ること、ミステリーも大好きな好奇心旺盛な73歳。渡り鳥がたくさんやってくる福岡市の和白干潟を守る活動もやってます。

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